不安障害のメカニズムを知り、その治療方法を知る

うつ病の併発

悩む女性

不安障害という病気の最も厄介な点は、うつ病という病気を併発してしまうという可能性を大いにはらんでいることです。
うつ病と不安障害の間には密接な関わりがあります。実際、このことは数字でデータが出ています。
ある時、アメリカで行われた調査によると、うつ病を患っている人の約40%が不安障害も同時に患っていたり、過去に患ったことがあったりしたことがわかったそうです。
40%というのは半々には満たないものの、決して低い数字ではありません。

特に、うつ病の中でも「非定型うつ」というタイプのものを併発しやすいという点が、不安障害の特徴のひとつであるとも言えます。
「非定型うつ」は、気分が落ち込みわけもなく自己否定、自己嫌悪に苛まれてしまうという、うつ病の基本症状を持つ点では変わりません。
しかし、その落ち込んだ気分が何かのキッカケでふっと明るさを取り戻すというところに特徴があります。
「明るくなれるならいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、非定型うつにかかっている人にとっては、気分の浮き沈みがそれだけ激しく、心に疲労が溜まりやすくなってしまうということを意味します。
また、いくら明るくなることが出来るとはいえ、心に存在する暗いうつ自体が、消えるわけではありません。心が健康であるためには取り除かなければならないうつが見過ごされがちだという点で、非定型うつは厄介なのです。
そして、そこに不安障害が加わってくると、ますます人の心は千々に乱れてしまうことになります。不安感に苛まれ、暗い気分に落ち込み、ふとした拍子にかりそめの明るい気分を手に入れ、そしてまた……というふうに、早い話が無限ループとなってしまうのです。

うつと不安障害の間にこのような深い関係が築かれてしまうのは、どちらの病気も同じような原因で発生するからであると言われています。
脳内の神経伝達物質の発生量が、適量に満たないから起こるものだということがわかっているのです。
神経伝達物質は、人の感情や認識の情報を脳内でやり取りするためのもの。この発生量が少なすぎると、気分や感情をうまくコントロールすることが難しくなってしまうのです。

不安障害の治療のために、抗うつ剤としても使われている「SSRI」が使われることからも、そのことは明らかです。