不安障害のメカニズムを知り、その治療方法を知る

症状について

頭を抱える女性

「不安障害」とひと口に言っても、その症状はこうだとひと言で表現できるわけではありません。
なぜなら、「不安障害」という言葉は、さまざまな精神疾患を引っくるめたネーミングとして使われているものだからです。
人が心に不安を宿し、やがてその不安が器となっている心を蝕んでしまうといったタイプの精神疾患は、すべて不安障害に含まれると言っていいでしょう。
例えば、ほとんど何の前触れもなく、いきなり不安感が巨大な塊となって押し寄せて呼吸の苦しさ、心臓の動悸の激しさを生じさせるというパニック障害もその一部です。
パニック障害は、不安の内容について考える間もなく、まずは体が不安感の高まりによって起きる反応によって苛まれてしまうという病気です。

また、不安な気持ちが「強迫観念」となってその身も心も領してしまうという強迫性障害も、その一部として数えられるでしょう。
例えば、日常的なちょっとしたことでもいいのです、ガスの栓を締めたかどうか家を出てからふと不安に感じ、何度も道を引き返しては確認してしまうという異常行動に出てしまう。これが緊迫性障害と呼ばれるものの概要です。
「締めたかどうか」という強迫観念が、何度も確認したのに、それでもガスの栓のもとへ人を導いてしまうのです。何度も確認に戻ってしまうというこの行為は、「強迫行為」と呼ばれます。

また、全般性不安障害という名で呼ばれるタイプのものもあります。その名の通り、世の中全般、人生全般、特に理由はないのですがいつでも不安感が心に巣食っているという症状を呈するのが、このタイプです。
理由がないだけに、行動によって解決するといったことは考えられません。その正体不明の不安を抱えながらずっと過ごさなければならないというわけで、これはなかなか大変です。
「ただ、ぼんやりとした不安があります」という意味の言葉を書き残して、昭和初期の作家である芥川龍之介は自ら命を絶ちました。
「ぼんやりとした不安」が、「ただ」存在しているということが死の理由となるというところは、後の世の私たちに全般性不安障害のうたがいを持たせます。
とはいえ、もちろん現在では不安障害を克服することは可能です。きちんと適切なタイミングでクリニックへ行って適切な治療を受けるなら、芥川のような道を歩むことはないでしょう。