不安障害のメカニズムを知り、その治療方法を知る

薬で治療

カウンセリング

病気になったら薬を飲む。この「治療方法」については、私たちは物心ついた時から知っています。
お腹が痛い、熱が出た、そんな症状の時、子ども用の味付きの粉末剤を、顔をしかめながら飲んだ経験を持っているのは、私やあなただけではありません。
薬は、病気を引き起こす原因となるものを撃退したり、ウィルスを追い出すために免疫力をアップさせたりするという効き目を持っています。このようにして、「病気」と「薬」とが対決し、うまくいけば私たちは元気を取り戻すことが出来るのです。

精神疾患の場合にはウィルスが存在しているわけではありませんが、うつや不安障害といった病気を治すためにも、やはり薬が使われています。
特に、それらの病気を引き起こした原因が「脳機能の異常」にある場合には、これから書く「薬物療法」が成果をあげるのです。

セロトニン。そんな名前の、脳内神経伝達物質が存在しています。脳の中をこの物質が行き来して、私たちが感じること、学ぶこと、認識することを脳内で確かなものにしていきます。
この物質が存在するからこそ、私たちは感じることが出来るのだし、物を認識することが出来るのだと言っていいでしょう。逆に言えば、神経伝達物質が足りなければ、感情や認識を充分に伝達することができなくなります。
そして、「神経伝達物質が足りない」という状況こそ、うつや不安障害をはじめとした精神疾患を引き起こす原因となると、今ではわかっているのです。

そこで、不安障害の薬物療法では、セロトニンを必要なだけ脳内に発生させることを促す薬が使用されます。「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」という名前の薬です。
「再取り込み阻害」と書くと、セロトニンが発生するのを阻害するようなイメージがあるかもしれませんが、事実はその逆です。
脳を構成する神経細胞は、神経伝達物質によって情報を行き来させていますが、一度使った伝達物質を再利用しようとする性質を持っています。つまり、そのままだと伝達物質の絶対量は変わらないわけです。
そこで、神経細胞が再利用のために伝達物質を回収(再取り込み)しようとするのを阻害する効果がある薬を飲むのです。SSRIという略称で呼ばれています。