不安障害のメカニズムを知り、その治療方法を知る

脳機能の異常

診断

うつや不安障害、その他の「心の病」に関しては、その原因について、研究が進んでいなかった頃はかなり乱暴な説がいろいろ立てられてきました。
例えば、「気の迷いにすぎない」とか、「心が弱いからだ」とか、そういったことです。これらは、抽象的な言葉が選ばれていることからも分かるように、学術的な根拠が皆無である前時代的な意見に過ぎません。
とはいえ、それも無理からぬことだと言えないこともありません。というのも、最先端の現代医学が見抜いたところによると、うつや不安障害の原因について語る有力な説として、「脳機能の異常」ということが浮上してきたからです。
心という目に見ることも出来ないし手で触れることも出来ない、曖昧模糊としたところに原因があるわけではない。脳内で異常事態が発生し、それが絶えざる不安とか急に訪れるパニックとか強烈な絶望感の原因となるのだ……ということが、明らかにされたのです。

とはいえ、不安障害に関して言えば、日々生きていく中で感じるさまざまなストレスが原因のひとつとして挙げられることもまた事実です。
例えば、もともと引っ込み思案な性格をしている人にとって、「人前で喋る」ということは多大なストレスとして心に負担をかけることになります。そのことがパニック障害を引き起こすという例も、存在しているのです。
ただ、こういった種類のものについては、訓練しだいで快復することもあります。人と喋る機会に慣れていくことで、症状を改善させることも出来るのです。
しかし、脳機能の異常が原因である場合には、その異常を取り除くための特別な手段が必要となります。

最も有力な説として、今、注目されているのは脳内を行き交っているセロトニンという神経伝達物質の存在です。
セロトニンは、人の感情についての情報、物を認識することについての情報などを、脳内の必要なところに伝達する役割を担います。
このセロトニンが、通常よりもいちじるしく少ない量しか発生しない場合があり、それがすなわち「異常」と考えられるのです。
不安障害の治療を行う精神医療が課題とすべきなのは、セロトニンの異常をどうやって解決するかということに絞られるのです。